巡回相談バスの運行
- 2020年7月18日司法お役立ち情報
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こんにちは、司法書士の安井章人です。
未曾有の令和2年7月豪雨や新型コロナ感染症拡大の新たな局面というニュースに際し、
被災された方々に、心よりお見舞い申し上げますとともに、
ボランティア活動、医療に携われている方々へ感謝申し上げます。
取り立ててこれといった特技も技能もない私ですが、
私自身、何か役に立てることはないかと考えた時に、ふと思いついたことがありました。
それが「巡回相談バス」でした。
東日本大震災後間もない2011年10月に、
被災した陸前高田市へ司法書士会の有志で相談員スタッフとして出向いたときに、
現地の方に言われた言葉が今でも忘れません。
「自分たちの都合のいい場所で相談会をしてもらうのではなく、本当に困っている人の場所に出向いてもらいたい。」
陸前高田市へは飛行機でいわて花巻空港へいき、そこからレンタカーを借りて2時間は走ったと記憶してます。
アクセスという面では仙台や盛岡よりは悪いのは明らかでした。
ただ、相談場所として相談員が行きやすい場所に集まっていても、そこまで行くのが大変な方もいらっしゃいます。
翻って名古屋を中心として考えたらどうかと思い、有志が集まりできたのが、「NPO法人相続おたすけネットワーク」です。
今回原点に帰して相談地に伺う。
市民に寄り添う形を求めて「歩いて行ける感染リスクを極力さけた場所」での開催場所を提供していきたい。
昨今、面談相談は極力避けた形での対応に終始している状況もうかがえます。
一方で、相談したい方のお悩みはコロナ禍においても一定数はあります。
ただ、電話相談でも対応する旨や、ご来所いただいて相談無料、WEBでの相談は無料ということはありますが、
相談者としては電話ではご不安なことを上手く伝えきれなかったり、
昨今の通信手段において不慣れな点もあり相談者に寄り添った形はとれていないことも多々あると思います。
そこで、なるだけ公共交通機関を利用せず、住んでいる地域の近くで、歩いていければ感染リスクは低くできるのではないかと考えました。
また会場については、公民館など各地域のコミュニティセンターの利用の可否についても検討しましたが、利用することで感染者が出たときのリスクがあると考え控えました。
ただ、かといって、青空相談では熱中症の危険もあるため、会場を「バス」として、窓を開け、アクリル板などを設置したうえ、感染症防止対策を施し、専門家もなるべく少人数で対応してはどうかと考えました。
面談で相談を受ける専門家の職域外の相談がきたときには、その場で他の専門家にWEBでつなぎ複数人で対応に当たれるよう体制をつくります。
ちょうど昔、私が幼稚園に通っていたころ、移動図書館というものがありました。
子供としては帰りがけにいろいろな絵本に出会えることは楽しく、通園途中の親にとっては便利で有意義だったと察します。
そんなバスの「巡回相談型」があったらいいな、を形にしたいと思いました。
バス業者様にお話を持ち掛けた際には、「大変な時期ではあるが、協力させていただきたい」とのことですぐに了解が得られました。
また、打ち合わせの際に判明しましたが、バスはその換気性能に長けており、車内の空気の完全入れ替えに約5分で対応できるそうです。
まさに感染症対策には最適と思いました。ご協力いただき感謝いたします。
まだ試験的な運行にはなりますが、色々な方々の協力をえて、少しでもお悩みがある方の一助になれればと思います。
代表司法書士 安井章人
(NPO法人 相続おたすけネットワーク代表理事)